ニセコ連峰を中心としたいくつかを紹介します。
※地形図画像は、本ページ掲載の都合上、拡大または縮小しております。正確な距離感を把握するためには地形図をご確認下さい。
3月1日 岩内岳権太川右股
岩内岳にはスキー場に向かって右の尾根に登山道がついている。高度約650mまでは、かつてスキー場だった。今も三っつのリフトがそのまま残されている。
この尾根の右の谷が権太川で、上は頂上に突き上げている。高度およそ500mで左右に分かれるが、どちらもスキー滑降に適している。もっとも、厳冬期は雪崩のおそれがあるので、春に雪が締まってからである。
春先に1ヶ所を除いてほとんどデブリが見られず、厳冬期でも雪崩の少ない谷だが、それは人が入らないからであって、立ち入れば人為雪崩が起きる危険性はあるだろう。
ここに目をつけておきながら、頂上から滑り込んだ場合、うまく谷筋から抜けられるかどうかわからないので二の足を踏んでいた。そこで昨年春、夏道尾根から谷へトラバースしていくと簡単に谷に入れることがわかり、そのまま右股をつめて、頂上の10m手前まで行き、その先はブッシュが密生していたのでそこから引き返した。
上部は開けた急斜面、中間部は振り子沢状で軽快に滑ることができた。
今年は頂上から滑ることにした。夏道尾根から頂上に達する。二日連続の岩内岳だが、これが今シーズンの初登頂。昨日は強風に吹き飛ばされて930mで退却した。
去年よりずいぶん雪は少ないが、この時期はまだブッシュもさほど顔を出していない。といっても頂上からしばらくは細いダケカンバが1m間隔ぐらいでビッシリ生えているので、あまり滑りにならない。横滑り主体で木をまたいだりくぐったりしながら、ようやくすっきり斜面に出る。
雪は程よく締まっており、気持ちよく滑る。谷が狭まってくると、一部ブレーキがかかる所があるので調子に乗って飛ばすと危ない。
去年、谷筋は完全に埋まって緩やかな凹状になっており、右岸左岸と自在に振り分けながら滑ったが、今年は2ヶ月も早いというのに雪が少なく、谷底はV字状にえぐれている部分が多い。片斜面滑降もあって快適とは言い難い。
高度500mの二股には幹の太いダケカンバが生えていてよい目印となる。ここまで降りると谷筋は雪が切れてくる。去年のゴールデンウィークは400mでも完全に埋まっていたが、今回は二股すぐ下で流れが現れた。そこで右岸へ上がり、斜滑降で尾根筋を回り込んでいくとほどなく旧の第一リフト終点に出た。
3月7日 敷島内山 メンバー : 男性2名(Oさん、Oさん)
雷電山頂北西の前雷電1203mから北に伸びる尾根上に997mの三角点がある。これが敷島内山と呼ばれているらしい。
岩内町塵芥処理場までは冬季も常時除雪されており、そこから1kmほど先、鳴神の滝近くで尾根に取付く。
下部はあまり傾斜がなく、大木が林立しているので、豪快な滑降はできない。面白いのは997mから広がる大きな斜面である。ここには背の高い樹木がなく、真冬でも真っ白に見える。
冬季のこの尾根は取付きから雷電山までの距離が最短で、うまくいけば厳冬期でも日帰りできるかもしれないと思って何度も出かけた。だが、敷島内山から先はクラストしていることが多いうえに風が強く、ちょっとしたアップダウンが少なくても3回はあることなどから、ついついまた次にしようと弱気になってしまう。
今日も天気は素晴らしく良いのに、前方を見るとやはり気持ちが萎えてしまう。もっと若ければ元気があるのだろうが・・・
3月22日 岩内岳権太川左股メンバー : 女性3名(Hさん、Kさん、Yさん)、男性5名(Kさん、Oさん、Oさん、Oさん、Sさん)
愛知と大阪のメンバーが岩内にやってきた。なのに彼らの来道に合わせるかのように気象条件の悪い周期に入ってしまった。
天気はあまりよくなく、風も強いので近くて風当たりの弱い所ということで、岩内岳権太川へ行く。今度は左股だ。三月に入って降雪があり、雪は前回より増えた感じがする。
登山道沿いの旧第一リフト終点から緩やかに右へ斜上して権太川に向かう。谷に行き当たっても流れが出ていて、しばらくは岸辺を絡んでいく。二股すぐ手前でやっと谷底に降りられるようになった。
風が当たらない谷筋とはいえ、上がるにつれて風雪が強くなってきたので850mで退却と決定。新雪が30cm以上あり、結構軽いので滑降そのものは楽しかった。
あっという間に二股。ここで全員集結して帰路につく。
3月23日 硫黄川からイワオヌプリメンバー : 女性3名(Hさん、Kさん、Yさん)、男性5名(Kさん、Oさん、Oさん、Oさん、Sさん)
前日同様天気はあまりよくなく、風も強いのでまた風当たりの弱い谷筋ということで、硫黄川からワイスホルンの行ける所までとする。
硫黄川右岸をさかのぼり、頂上は無理だろうけれど、せめて源頭部の途中までは行きたいと思ったが、いつまで行っても谷筋は埋まっておらず、これではワイスホルン側へ渡れそうにない。どうしたものかと思案しながら登り続け、結局急遽進路をイワオヌプリに変更。
夏道の徒渉点の少し上でイワオヌプリから伸びる尾根に取付く。下は幅広く傾斜も緩いが、次第に角度が増してシール登行の限界となった。そこは840m地点で、これより上はもうほとんど崖だ。
登りコースではなく、浅い谷を横断し、もう一つ横断して谷沿いの往路に合流。一時はどうなるかと思ったが、樹間は空いており、ほどほどのパウダーで割りと面白かった。
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