雑記帳

       シールの始まり                              Mgg生

    数ある山スキー道具のうち基本中の基本といってよいもの、それはシールだろう。これなくして能率的に斜面を登るのは不可能。かかとが上がらない締具でも シールを貼れば不自由ながらも登っていけるが、かかとが上がる締具でもシールがなければどうにもならない。

     シールって何?

   今や、そのシールがアザラシに由来するということを知る若い人はほとんどいないのではあるまいか。
   英語の’seal’はアザラシのこと。その毛皮をスキーの滑走面に貼って滑り止めにしたというわけだ。だから正しくは’sealskin’、いや、もっと正しくは2本で対だから’sealskins’と複数になる。
   現在ではモヘヤや人造繊維などに置き換わってしまったが、名前だけは残った。それも、日本人はシールと呼び、ヨーロッパなどではスキンと呼ばれるのだからおもしろい。

 
 
   
   上の写真はごく初期のアザラシシール。旧友の父親が使っていたものである。これをどうやってスキー板に固定していたかが問題で、原理は今の貼り付けシールと変わらないものの、とてもややこしい方法だった。
   それは滑走用ワックスを溶かして接着剤代わりとしたのだ。山スキー歴50年以上の私も、さすがにこの方法を用いたことはない。
   これは手間がかかるだけでなく、一度はがすともうくっつかない。さらに、山中で貼り直すなんてことはとてもやっていられない。そんな難問があった。
     そんなことから、途中で何度もつけ外しができるように紐やベルトでスキー板に固定する方法が考え出された。トップはわっかで引っかけ、テールと途中何箇所かを紐・ベルトでくくりつける。これを取り付け式と呼んだ。
   いつからか材質がアザラシからナイロンに変わり、値段も安くなった。
   だが、アザラシかナイロンかを問わずこの方法も欠点だらけ。とにかく緩む。間に雪が入る、ズレる、そのうち完全に外れる。紐が凍ってほどけなくなることもある。名人も難儀したものだ。 こんな時代が長く続き、やっと現在の貼付式になった次第。
     
 
取り付け式アザラシシール

  昔のものなので幅が狭い 
  
もはやこれがシールとなることはない❓‼  2019.11.1記